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タケノコとモンステラ

工事の作業中に波乗り仲間のRKが遊びに来てくれた。

「あっ、タケノコ取りに行こうよ」突然RKが言う。

「季節のものを食べると体に力がみなぎるんだ」

僕たちはとてもヘルシーなのである。

近くにある竹林(知り合いからとっても良いと言われている場所です)の中にサンダルで入り込んでいくRK.

僕も後から続くが、いきなり深い穴にはまり込んでしまう。

マンション育ちで鍵っ子だった僕には屋久島の県道沿いの竹林がじゅうぶんにジャングルなのである。

「あった!」とRK

はやっ。入ってまだ一分も経ってなかった。

訓練された特殊部隊のようにするりと竹の間を通り抜け、気がつけばタケノコの周りを手で掘り始めている。

早い。

ががっと掘って、ぐいぐいっとタケノコを揺らし、バキッと根元を折る。

ムッチャかっこいいやん。

一連の動作がまるで空を舞う蝶のようにスムーズだ。

ちょっと、ムッチャかっこいいやん。

正直くやしい。

悔しさを絶対に悟られないように、出来るだけ余裕なムードをかもし出しながら僕も必死に探す。

オレにはもうタケノコを見つけることなんか出来ないのかな、と思ったときに発見!

僕もするりとタケノコの生えている場所にしゃがみこみ、まわりをガッガッと勢い良く掘り込み、ぐぐっとタケノコを揺らして、、、、とれない。

ぽっきと根元から折れない。

なんでやねん。

ぐいぐいといろんな角度で動かしてもなかなか折れない。

ふう。

オレは野生児じゃないね、とあっさり認めて地道にぐいぐい動かし、なんとか折ることができた。

タケノコ狩りとはよく言ったものだ。

これは男のプライドをかけた狩りなのだ。




なんとか面子をたもち、ギャラリイに帰ると川沿いのモンステラを家主さんがばっさりと半分くらい切り落としていた。

えーーーまじで。

大好きだったのに。

気を取り直して、その辺りを掃除してみると、そこから裏の畑に通じる階段が姿を現した。

昔はここをみんなが行き来していたんだ、とそのときに始めて知った。

心なしか風の通りがよくなって気持ちよく感じる。

この場所は昔商店で、たくさんの人たちが集まった場所らしい。小川ではみんなが並んで洗濯をしていたということも聞いたことがある。

昔の人たちが創ってくれた人や空気の流れのようなものを再現しながら、僕はここに新しいものを創り上げていきたいと思った。

高く積み上げられたモンステラの株の前にしゃがんでいると、ふとこのギャラリーにたくさんの人たちが集っているイメージが僕の頭の中に入ってきた。


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ということで、いまshizuku ギャラリイにはモンステラの株がたくさんあります。
このまま土に植えておけば、またすぐに生えてくるらしいので、欲しい方がいらっしゃればいつでも取りに来てくださいね。
午後なら大体作業をしておりますので。
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by kei-jewellery | 2012-03-31 23:55

草抜き

今日も改装作業。

最高に気持ちの良い天気。

今まで放置していた草刈り作業をすることにした。

とはいっても屋久島の植物のエネルギーは凄い!

ギャラリーのエントランスから川まで続く階段を多い尽くそうとしている草の茎を両手でガッツリと掴んで根っこから引き抜いていく。

なぜか、一本一本抜くたびに自分の心が少しずつ軽くなっていくような気がした。

あれ、おかしいな。そんなにたいしたことではないはずなのに。

でも草を刈っていけばいくうちに爽快になっていく。

心の奥底ではずっと気になってたのだ。

本当の気持ちを風呂敷で綺麗に包んで引き出しの奥のほうにしまいこんでいたのだ。

ほんのささやかなことだけれど、そういったことを処理してしまうことができて、なんだか自分がつい十分前の自分よりも少しだけ健全になったような気がした。

えーっ、草刈りくらいでこんな気持ちになれるなんて!

もうちょっと引き出しの中を探ってみようかな、なんて思いながらスポスポと草を抜き続けた。



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by kei-jewellery | 2012-03-30 23:52

大阪からの贈り物

大阪からジュエリー仲間が会いに来てくれた。

彼は大阪にあるジュエリースクールを卒業したところで、来週からジュエリーメーカーでの就職を控えている。

新しい生活を前にして、自分は本当にやりたいことの道を歩んでいるのだろうか、自分の本当にやりたいことっていったい何なのだろうか、と大きな不安の中に陥ってしまい、なんとかせねばと思った時にふと屋久島のことが思い浮かび、ガイドブックを立ち読みしたら同じジュエリーを仕事にしている僕のことが載っていて、どうしても会いに行かなくてはという衝動に駆られてはるばる大阪から自転車で屋久島にやってきたのだ。

まるで“ハチミツとクローバー”のようだ。

僕はちょうどギャラリーの工事をしているところだったので、平内のギャラリーまで遊びに来てくれた。

仕事のこと、大阪のことなど共通点も多く、初対面とは思えないくらいに深く話すことが出来た。

「昨日縦走してきましたよ!屋久島は最高ですね!こんなところで好きな仕事を出来るってムッチャいいですね!」

21歳の彼の言葉はエネルギーに満ちている。

「こうやって、まわりの人たちが自然に集まってきて、みんなでペンキを塗ったりするのって、最高におもしろいですよね!!僕もやりたいです!!!」

彼は大手ジュエリーメーカーに就職が決まっているのだが(作品を見せてもらったけれど、実際かなりの技術とセンスを持っている)、自分の思っていた部署には着くことが出来なかったらしい。

しかし、彼は本当にたくさんのことを考えて今はこの会社で自分にできることをやってみようと決めたようだ。

彼の話す言葉、体全体には、本当に自分の好きなことを仕事にして生きていけるのなら、そのためならどんなことだって喜んで出来るし、今はそのときが来るまでにたくさんのことを経験して力を備えておこう、という
熱意が満ちていて、まわりにあふれ出している。

そのパワーは実に気持ちの良いもので、感動的だった。


彼くらいの年齢とき、僕にはまだなにもなくて、それでも何か自分の道を絶対に見つけ出してみせる、
そういうチャンスが訪れるならば僕はどんなことだってやってみせる、と心に強く誓っていた頃の自分が完全にオーバーラップする。

そして、今僕は好きな場所に住み、大好きな仕事をやっている。
四月からはギャラリーをオープンすることになっている。

僕は今、あのときの僕が思っていたくらい“どんなことでも”やれているだろうか。

あのときの僕が今の僕を見てOKを出してくれるくらい毎日を充実して生きていけているだろうか。

あのときの僕と同じ熱意が今僕の中にきちんとあるのだろうか。

自分自身に恥ずかしくない人生を歩むことが出来ているのだろうか。


僕たちには絶対に忘れてはならない気持ちや、維持し続けないといけない感覚のようなものがある。
そんな大切な大切な思いを大阪からやってきた一人の男が僕に授けてくれた。


「今から中間のビーチに夕日を見に行って、いよいよ明日は大阪ですわ。」

「僕も君に会うことが出来て本当に良かった。ありがとう。」僕は言う。

彼は少しキョトンとしている。

言葉にして伝えなくても心に伝わることがたくさんあるんだ。

「ありがとう。屋久島に来てホントに良かった。色々話せて、これからの生活が楽しみになった!」

別れ際にそう言った彼の顔がすこし誇らしげに見えた。



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by kei-jewellery | 2012-03-29 21:51

走りたい衝動

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ギャラリー創りの作業も大詰め。

最近まで咲いてなかった花が咲き始めるのを横目に一人で黙々と作業を続ける。

今日はなかなか思考の焦点が合わない日。

ばらばらになる思考をまとめるのが面倒になって、ただひたすら体を動かした。

こんな日もある。

はしごに登ってペンキを塗り、はしごを移動させてまたペンキを塗る。

片方の部屋の荷物をもう片方の部屋に移動させ、空いたほうの部屋を掃除して、その部屋の
壁をペンキで塗る。

日に日に強くなってくる日差しの中で体を動かし続けていると、いろんなことがうまくいくような気がしてきた。

このまま、どこかへ走っていきたいような気分に駆られた。


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by kei-jewellery | 2012-03-29 00:38

手を動かす作業に癒される日

今日は一人でギャラリー工事の作業。

誰もいない敷地には暖かい春の日差しがどこかにこぼれ落ちてしまいそうなくらい溢れていた。

長さ2メートルの野路板を手に取り、一枚一枚天井に貼り付けていく。

一枚取り、釘で六箇所打ちつけ、その隣にもう一枚を六本の釘で打ちつける。

僕はひたすら同じ作業を繰り返していく。

こういった大工仕事は生まれてこの方やったことはないのだけれど、なぜかとても簡単に感じる。

手を動かし、何かを作り上げていくという作業を繰り返すたびに僕の内側が静まり、穏やかで安らいだ気持ちに包まれていく。

不思議な感覚だった。

ギャラリーのすぐ隣を流れる小川のせせらぎが絶え間なく聞こえてくる。

誰もいない午後二時半。太陽の日差しが眩しい。

僕は今、僕の内にある記憶とともに作業を続けているのだ。

僕は心の中にある高まる思いをどうしても表現せずにはいられないんだ。


ときどき僕は自分が自分である安らぎの感覚を、ふとした瞬間に失ってしまうことがある。

屋久島にいてジュエリーを創っていても、違う方向を歩み、どこかやりきれない思いを抱いてしまう。

何かを信じることが出来なくなっているのだ。

空には常に満点の星が輝き続けているのに、僕は灯りを照らして星を探そうとしてしまう。

そして、灯りをたくさん照らせば照らすほど星の姿は僕の視界から遠ざかって行ってしまう。

時には灯りを消して暗闇に目を傾けることが必要なのだろう。


全部で50枚ちょうどの野路板を貼り付けたころに、パートナーのIちゃんが帰ってきた。

僕は天井から目をはずし、庭のほうに目をやった。

Iちゃんの小さな白い車を中心にした景色がさっきよりも一層輝いているように思えて、
心の奥のほうがギューッとしめつけられるような気持ちになった。

この感覚のありかを誰かに伝えたいと思った。



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by kei-jewellery | 2012-03-28 00:09

繋がりに心をかたむける日

マリッジリングの制作の打ち合わせを。

海友達のAさんが結婚することに。マリッジリングの制作をさせていただくことになった。

大切な指輪の制作を僕に任せてもらえて凄く嬉しい。

工事中のギャラリーの庭、陽だまりの中で並んで座り、素材のことやサイズのことを話し合う。

フラやウクレレをやっている彼女と話していると、レイがぐるりと指を囲むようなデザインのイメージが湧いてきた。


それから立て続けにお客様が。

大阪から会いに来てくれたジュエリー仲間が僕の友人が教える生徒だったり、

僕の創ったミカンの花のネックレスを友人が着けているのを見て気に入ってくれた方が作品を選びに来てくれたり、

ふらりと立ち寄った地元の方に駐車場のアイデアを頂いたり、

新しい出会がたくさん始まった。

そして、その出会いのもとをたどってみると、全てどこかで何かとうまく関わりながら、僕のところまでやってきたのだということを強く感じることができた。

いまさらだが、僕のまわりにある関係の多くはジュエリーに関する関係であることに気がついた。


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by kei-jewellery | 2012-03-26 22:24

空白を得る日

朝、海に入った。

久しぶりの海は最高に気持ちが良く、スカッとした気分になった。

体の中から、余計なものが全て出て行ってしまったような気分だった。

余白が生まれることによって初めて、自分の中が本当に雑多な事柄で埋め尽くされていたのだな、ということを知る。

そして、僕の中に生まれる余白に、またフレッシュな“何か”が入ってくると考えると、とても嬉しい気持ちが湧いてきた。

今日は昼からギャラリーの工事。

一人でペンキを塗りながら軽くなった自分の中をゆっくりとのぞいてみると、自分にとって本当に大切な事柄の輪郭がはっきりと浮かび上がってくるのを感じた。

何となく豊かな時間が、そこに流れていた。


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by kei-jewellery | 2012-03-25 23:43

bank or surf

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昼間、ギャラリーにてla tableの羽田さんと打ち合わせ。

二時間近く話し続けてしまう。(主に僕が喋ってました。案外、おしゃべりな一面もあるのですね、僕。)

気がつけば、三時前。

これから銀行に向かうか海に向かうかで少し迷って、結局銀行に行くことにした。

意外な選択に自分でも驚く。

銀行、木材やさん、工具やさん、と仕事をこなす。

ギャラリー作りも終わりが近づいてきている。

ラストスパートが始まったのだ。


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by kei-jewellery | 2012-03-23 22:07

トンネルと海

妻と二人でお出かけ。

安房まで材料を買いに行くつもりが、いつの間にか西の森へ車を走らせることになった。

残っていたごはんにわかめを混ぜてオニギリを作って空の水筒とカメラをかばんに詰め込んで僕たちは車に乗り込み、西の森に向かった。空の水筒は大きな滝の近くにある湧き水を汲むためのものなのだ。

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新緑の季節、燃えるような緑の量が圧倒的で、小さな葉っぱ一枚一枚が躍動しているのを感じることが出来る。

この森の中では、小さな葉っぱ一枚一枚が、クワズイモや名もなき雑草やシダが、ささやくようにさえずる小鳥たちや、仲良しのサルたちが、すぐ近くを流れる清流まで、全てのものが命に満ちていて躍動していて、ひとつの“森”という世界を創り上げている。そんな世界の中に身をおいていると、僕自身も今、確かに“森”の一部であり同じ命という存在なんだ、という気持ちが急に湧いてきて胸が熱くなった。

確かに僕はグングン伸び続ける草や樹と同じなんだ。

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キラキラと輝く清流のように絶え間なく流れ続ける人生の中で、どうしてだろう、僕は知らず知らずのうちにクロールをしたり背泳ぎで逆行したり、水中にもぐって息が苦しくなったりしてしまう。

この森は命のトンネルだ。

本当に大切な事柄がここには存在している。

そして同時に、僕が遠い昔から同じ感覚を海の中で感じ続けてきたということを僕は確認した。


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西の森を抜けると、美しい海岸線が広がっていた。

そこにはもうひとつの絶え間ない命がある。

春の日差しで熱された砂浜を眺めていると、照り返す光がとても眩しくて、僕は少しの間だけ目を閉じた。

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by kei-jewellery | 2012-03-23 00:56

カワノナガレ

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少しの間、止まっていたギャラリー創りを再開。

外壁に白いペンキを塗っていく。

ゆっくりと静かに流れていく一人の時間。

穏やかな気持ちに包まれる。

去年までにはなかったこの時間を創り出したことが新しい変化を創り出す。

ギャラリーのすぐ隣に綺麗な小川が流れていて、僕はそのほとりでそっと腰をおろし、その絶え間ない流れを眺め続けていると、当たり前のようにキラキラと輝きながら進み続ける川の流れが、何かに似ているように思えてきた。


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by kei-jewellery | 2012-03-22 01:20


ケイ ナカムラ ジュエリーは屋久島発のジュエリーブランドです。作家・中村圭がジュエリーと写真と文章で、日々の美しさをお届けします。しずくギャラリーとホームページにて、作品を観て頂けます。


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