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夏のにおい、スモモと鯖

アトリエにずっといる日。

妻の制作の締切りと僕の制作の締切りが重なり、アトリエにはなんともいえない緊迫感が漂っている。まるで、高校受験をひかえた双子の兄弟の勉強部屋のようだ。CDプレイヤーからはGLENN GOULDのバッハが繰り返し流れている。ガリガリ、ペタペタと二人の手を動かす音と恐ろしく集中力の高いピアノの音だけが部屋の中に響いていた。

気がつけば夕方。近所に住む家主さんのおうちに用事があって、ちょっと外出。
一日の明るい部分がもうすぐ終わろうとする時間帯。空気が少しだけ冷えている。海から静かな風が運ばれてきたとき、ふいに懐かしい夏のにおいがした。

用事を済ませ、釣ったばかりの鯖とスモモを頂いてアトリエにもどる。

スモモをひとつかじり、鯖はかじらずに冷蔵庫にきちんと入れて、夜の部の作業に戻った。
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by kei-jewellery | 2011-06-30 23:07

明日へ、着地!

制作と制作の間の日。
午前中、石窯パン工房 樹の実さんにて、友人のTさんと待ち合わせ。作品の引き渡し、近況報告などをする。
出版関係を中心に活動されているデザイナーのTさんとの会話はいつも興味深く、ジュエリーとは違うカテゴリーではあるけれど、作品の提案の仕方や作品作りのアプローチの仕方など、お話していてとても勉強になることが多い。
今日もお互いの作品づくりに関する会話で盛り上がった。結局こういう話が一番面白い。

作家の方や料理人の方、写真家の方、ミュージシャンなど、僕の仕事とは少し違う畑で活動されている人たちのスタイルから学ぶことは本当にたくさんある。自分の仕事となると、なんだか窮屈に考えすぎていて周りが見えなくなっているようなことでも、ワンクッションをおいて何か違う世界を見てみると分かることがたくさんあるような気がする。

客観的な視点。

この島にきて、そういった出会いが本当に多くなったと思う。
たくさんの出会いを経て、僕の作品は在るのだなと思う。

Tさんとわかれ、釜焼きのピザを買ってアトリエに戻り、妻と昼食を取ってから次の作品作りにかかった。
大きな仕事の間にポンと出来た一週間。ここで何を創るかが重要だ。
一年間で作ることのできる作品の数は必然的に決まってきてしまう。一つ一つの制作が未来を作っていくのだろう。充実した作品作りをしたい。
そのとき制作している作品をどれだけよいものに仕上げることはとても大切なことではあるけれど、実は、その制作から次にどうつなげるというかとことが未来に大きく関わってくるような気がする。
そう、“スピードよりも重要なのは着地”なのだろう。

やってみようかやらないでおこうかと長い間迷っていた制作に取り掛かることにした。

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by kei-jewellery | 2011-06-29 23:00

苔と空

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この三日間、東京から来てくれた友達と一緒にすごした。
僕たち三人はずっと一緒で、アトリエで一緒に焼酎水ノ森を飲んだり、一緒にノマドカフェで最高のベーグルとバターチキンカレーを食べたり、山の上にある手作りの家の黒糖シュークリームを食べたり、ペイタのシナモンパンを食べたり、また水ノ森を飲んだり、樹の実で目の前に広がる一面の海をを眺めながらクルミとレーズンのパンとイチジクのパンとアンパンを食べたり、とにかく僕たちは良く食べた。

そしてその間、僕たちはずっと二人の結婚指輪のデザインの打ち合わせを続けていた。そう、二人は指輪を作るために屋久島に来てくれたのだ。屋久島きてくれて、一緒にテーブルを囲んだ瞬間にデザインがぱっと浮かび上がってきたのが凄かった。今まで東京と屋久島のやり取りではなかなかうまくいかなかったのがウソのように、空から何かが降りてくるように、突然みんながひらめいて、ガーっと大筋が決まってしまったのが面白かった。

誰もいない森では梅雨の雨をたっぷり吸った苔たちが僕たちを迎えてくれたし、ちょうどツルアリドウシが対になった白い花を咲かせていて、なんて幸せな形をした植物なんだろう、とかみんなで言いながら最高の時間をすごすことができた。

この三日間、三人で経験したキラリと光る瞬間のようなものを今から作る指輪の一部に込めることが出来たらいいと思う。
ものづくりにはいろいろなスタイルがあるけれど、こういう感じで人や自然の繋がりのなかで、そこにある感動や感情を作品にして、みんなに喜んでもらえるモノを作っていけたらいい。僕はそう思った。

今日、二人は無事に帰っていった。
エアポートの向こう側に見える夕焼けがとても綺麗だ。
明日の朝は二人に会うことが出来ないんだなと考えると、とても寂しいような気持ちになった。


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by kei-jewellery | 2011-06-28 23:29

RECENT WORKS

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近頃の新作をRECENT WORKSとしてホームページにアップいたしました。
みなさん、いつもありがとうございます。
よろしければ御覧下さいね。


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by kei-jewellery | 2011-06-25 22:27

バラと手紙と青い空

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大切な方から頂いたバラの花が咲いたり、嬉しいお手紙を頂いたり、真っ青な空の下、海に入ったり。

最近の暑さのせいで僕の中からすっかり抜け出してしまっていた何かを埋めるように、小さく、力強い元気がたくさん入ってきた。

頂いたこの力でジュエリーを作って、キラリとひかる喜びのようなものを循環させたい。ほんのささやかな力かもしれないが、幸せな気持ちや暖かい感情を創り出すことができればいいなと思う。
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by kei-jewellery | 2011-06-24 22:25

きになるあいつ

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この日差し。この熱気。
そろそろあいつの季節だな。

去年の夏、家の前にある敷地の草を刈るという約束をその土地のオーナーと交わし、僕はその敷地内に生えるバナナを頂く権利を得た。その敷地内で育つバナナなら、いくらでも。

草を刈らないとバナナはもらえない

今日も引き続きペアの指輪の制作。
メンズとレディース、デザインに関連性を持たせながらそれぞれ独立した個性に仕上げていく。
図面上では同じデザインでも、金属のボリュームや質感、アウトラインの抑揚具合によってかなり違ったものが出来上がる。このあたりは全て、僕の手の中に委ねられることになる。手の中でゴロゴロやりながら雰囲気を出していくのだ。そうやって仕上がったものがのどこにもない、ひとつのモノとなるのだろう。

外には暖かい風が吹いている。
甘酸っぱくて新鮮な島のバナナの香りを思い出した。
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by kei-jewellery | 2011-06-23 22:51

イロチガイ

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快晴。
強い日差しで梅雨の雨をたっぷりと吸い込んだ地面は熱され、あたりにムワムワした蒸気を発し続けていた。

夏を思わせる青い空をグッと見上げると、軽く眩暈がした。

近所で見つけた一組の花。
ひとつはシルバーとゴールド、もう片方はピンクゴールドとイエローゴールドで作るといいだろうな。


ペアの指輪の制作。とてもありがたいことに、ここからペアの指輪の制作が三つ続く。

集中していきたい。
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by kei-jewellery | 2011-06-23 00:24

つかのまサマー

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昨日のキセキテキな快晴から一転。
今日も大雨。
大雨の中、空港の近くの大型ドラッグストアまで買出しに。

いつもと同じように、たくさんの知り合いに会う。
どこでも、「よくふりますねー」「梅雨いつあけるんですかねー」という感じの会話が繰り返された。

最後によったスーパーマーケットでMOSS OCEAN HOUSEの今村くんに出会った。
ここでも同じ会話。
「よくふるねー」と僕。
すると、今村君は
「でも、この雨はもう梅雨の後半の雨やね。ほら、雨粒がでかいもん。」
えっ、まじで、そんなんでわかるん?
「ほら、このザーッと降る感じとか。」
ちょっと、かっこよく言ってないかなー。本当かな?
「ほら、この雷とか。もう、夏が近いんやで。」
なるほど、かなり説得力がある。確かに、今日の雨は夏のスコールのような雰囲気もある。

今村君はいつも実に注意深く物事を見ているような気がする。自然界には自然界だけの周期がきっちりとあるのだと、いつだったか彼が言っていたのを覚えている。山岳ガイドである彼は“実際に”自然から多くを学んでいるのだ。

いつでも、注意深くありたい。
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by kei-jewellery | 2011-06-20 21:42

高原でソフトクリーム

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目を覚まし庭に咲くアジサイを眺める。なんて綺麗なんだろう。まるで水中にいるような、湿度をたっぷりと含んだ朝もやの中、夢のような色彩がそこに在った。
気候や植物、ほんのささやかな瞬間が絡み合って出来上がった、いまここに在るもの全てに感謝した。

明日の屋久島てづくり市の出展の準備。
朝、天気予報を見ると明日の降水確率は60% まじで、昨日より上がってる。
大丈夫、大丈夫。絶対晴れる。僕は気にせず準備を進めた。

昼の予報、80% えっ、はちじゅう?
ここから、せめぎあいが続いた。
絶対に降らない。俺はいくぞ、という基本方針の城壁にできた小さなひび割れから、あー準備をやめてしまってどこか広い広い高原とかに行ってソフトクリームを食べたり体験トンボ玉教室とかに参加したりしたいなー、といったユルイ考えが攻め込んでくる。

それでも何とか準備。準備。
そして、夕方の予報。30パーセント。きた!
準備していて良かった。高原に行かなくて良かったー。

明日も楽しみだ。
てづくり市の帰りにソフトクリームを食べよう。
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by kei-jewellery | 2011-06-18 22:17

早歩き

少し仕事が遅れぎみ。
あせってもしょうがないので、ビーチまで散歩に出かけた。
いやいや、いつも植物たちには癒されるなー、ありがとうー、と楽しく歩いていた、そのとき。

あっ、ハマユウやん。もうこんな季節なん!そこにも咲いてるやん、ほらあそこにも!

もうこんな季節なのである。早歩きだったのは彼らじゃなくて、僕がゆっくりと歩きすぎていたのかもしれない。

これはもう早起きしかない、と心に誓い、アトリエまで続く坂道を上って帰った。

先日お世話になった写真家の大沢氏が毎日午前4時ごろに起床するとおっしゃっていた。
四時かー。憧れのスタイルですね。
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by kei-jewellery | 2011-06-17 22:16


ケイ ナカムラ ジュエリーは屋久島発のジュエリーブランドです。作家・中村圭がジュエリーと写真と文章で、日々の美しさをお届けします。しずくギャラリーとホームページにて、作品を観て頂けます。


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