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早い朝、冷たい雨

朝一番、八時に待ち合わせをして納品をおこなう。
屋久島の朝は早い。おかげでいつもとおなじ時間から仕事をスタートできた。

昨日に引き続き紙ヤスリの作業。僕は花かたちに切りとった銀の板の輪郭に沿って丁寧にヤスリをかける。ひとつの花には4枚の花びらがあって花の数は30枚ほどあるので、花びらは全部で120枚ということになる。なぜだろうか、昔からこの手の繰り返す作業は全く苦にならない。外では朝から冷たい雨が降り続いている。窓の外に見える景色は濃いグレー色をしていて、色づき始めたタンカンの実とツワブキの花の黄色がその中で鮮やかに際だつ。薄暗い景色の中、発光している黄色は温度を纏っているようだ。もしも、希望というものに色があるのなら、それは黄色ではないだろうかと僕は思った。

夕方まで同じ作業。
まるで長い長いトンネルのように雨は緩やかに降り続いている。それにはいつか終わりがあるのだろうが、まだ先には出口が見当たらない。

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by kei-jewellery | 2010-11-30 23:04

窓の外

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とても温かい一日。久しぶりに一日中アトリエにこもって制作をする。
シャツ一枚で窓を開け放つ。作業机にマグカップ一杯のカフェオレをでんとおいて、午前中の仕事にかかる。

頭の中だけで考えていてもなかなかはっきりとしなかったことが、紙ヤスリを手にとって作業をしているうちに明確に輪郭を持ち始めてくる。

僕はいったいどこまで来ているんだろう。

二杯目のカフェオレを飲み終える頃にはそんなことも考えることもできないくらいに作業に集中していた。

窓の外を見ると、木漏れ日とツワブキが裏庭でたわむれている。

そして、なにか答えを求めるように僕はまた作業にもどった。
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by kei-jewellery | 2010-11-29 21:30

黄色い冬

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僕の大好きなツワブキが花を咲かせ始めた。

冬がやってきた。
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by kei-jewellery | 2010-11-28 22:06

空港へ

四日間の滞在で屋久島に来ていたSちゃんとYちゃんを見送る。
二人は昨日の縄文杉登山で足腰が立たない状態だったけれど、なんとかかんとか、ふいらふらぱたぱたしながら空港まで到着することができた。

いつの間にか屋久島が生活の場になってしまっている僕にとって、彼らと過ごした数日間は久しぶりに鮮度に満ちた、エキサイティングな毎日だった。最終日の夜に安房の居酒屋でいっぱい食べて騒だあと、帰りの車の中から、みんなで満天の星空をみていたら、「ああ、なんかとても遠いところまで旅に来ているみたいだなあ」と思えてきた。

つかの間だったけれど、旅気分をお裾分けしてもらえてるようで、少し得した気分だった。

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by kei-jewellery | 2010-11-27 22:11

静かな一日

午前中、長い間書くことができないでいた手紙を書いた。

もしくは、僕の意識が森に置き去りにされてきたのだろうか。
一日経った今日も、僕のまわりに森を感じることができる。

中間の集落はいつもよりも静まりかえっている。徹底的に静まりかえっている。
小鳥のさえずりだけが時が動いている証拠のように存在している。

手紙を書き終えて、それからたまっていたメールの返事を何件か送った。

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by kei-jewellery | 2010-11-25 22:21

白谷雲水峡

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久しぶりに白谷雲水峡に。
やっぱりここは最高ですね。苔生す森を歩けば歩くほど、澄み切った空気を吸い込めば吸い込むほど、どんどん元気になっていくような気がします。
大切な家族と一緒に歩く森は格別でした。Yちゃん、Sちゃんありがとう。楽しすぎて時を忘れた森でした。
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by kei-jewellery | 2010-11-24 20:27

パンを食べる日

島を一周する。

妻と二人、コーストラインを北に向けて車を走らせた。
午前中の中間は日差しが強い。なんか暑いね。妻が朝食べ損ねた食パンを食べながらクーラーのスイッチをいれる。

途中、尾之間でスコールをくぐり抜けて、宮の浦にある自家製酵母のパン屋さんLINNAを訪ねた。
自家製酵母で作られるパンは子供の拳くらいの大きさくらいで可愛らしく、どれも美しく愛情に溢れている。
僕たちは小豆のパンとチョコのパンとトマトとオリーブのパンとクランベリーとクルミのパンと栗のパンとプルーンとクリームチーズのパンとシナモンロールを二つ買い、それら全てが入ったどっしりと重たい紙袋を抱えて車に乗り込んだ。

気が付けばすっかり肌寒くなってきたような気がする。あたりは湿度に満ちていて、山々は薄い霧に覆われている。屋久島らしい気候だ。県道沿いには気の早いツワブキたちが冬を待ちきれず黄色い花を咲かせ始めている。隣の妻は小豆のパンをおいしそうに食べている。

そのまま北に車を走らせ永田へ。
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僕の大好きな永田は今日も美しい。雲の合間からは時折、連なる山々が見える。とても神秘的だ。
ここ永田は屋久島でも数少ない田園地帯で、福井県にある僕の妻の実家のあたりの雰囲気ととてもよく似ている。のどかで牧歌的な場所だ。隣の妻はクランベリーとクルミのパンとシナモンロールを交互に食べている。車の中には甘く、幸せな香りが漂っていた。

永田を抜け、西部林道に。
僕たちは光のトンネルを抜けた。
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森には光があり影があった。静けさがあって絶え間ないうごめきがあった。それらがとても象徴的で、何かに似ているような気がしたが僕には分からなかった。
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森を抜け開けた場所に。
海と光が凄く綺麗だった。僕は車を出て深呼吸をする。このままここうしてずっと海を眺めていたいな。そうおもっていると、今日どんなことがあっても車から出てこなかった妻が外に出てきて写真を撮り始めた。マンガ北斗の拳でラオウが敵と認める男と出会って初めて彼の馬である黒王から大地に降り立つシーンのようだな、と心密かに僕は思った。
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ぐるりと島を一周して中間に到着すると、数時間ぶりの中間がとても暑く感じられた。
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by kei-jewellery | 2010-11-20 21:51

橋の話し

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午前中、部屋の整理をする。
僕の中に昨日の森を感じることができる。妻と二人で話しをしながら作業を進めるうちに、どんどん新しいイメージがわき始める。新しいイメージは過去の僕たちと未来の僕たちを結びつけるもので、小川を渡す小さな橋のようだと僕は思った。橋のイメージが出来上がったら、あとは材料を集めてそれを作りあげるだけのことだ。イメージが行動を決定するのだ。

森から得ることはたくさんある。ステレオのスピーカーからは今日も辻井伸行さんのピアノが聞こる。部屋の中が希望をまとった空気で満ちていた。
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by kei-jewellery | 2010-11-18 22:45

苔ルーペの会

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僕の妻と長身の山岳ガイドIちゃんと僕、三人でルーペを携え森に遊びに行く。

三人とも大の苔好き。おのおの倒木や岩に生息する美しい苔をルーペで観測した。一人ではあやしくてなかなかできない作業。秋の誰もいない森で至福の時間が流れる。

屋久島にも紅葉がある。京都にモミジがあるように、ここ屋久島にはヒメシャラがある。秋の澄み切った光を浴びてヒメシャラはピンクゴールドに輝いている。針葉樹の森に、妖艶なコントラストが存在していた。

森の中、感覚が冴える。普段、里にいてはなかなか気づくことのできないことを森は思い出させてくれる。
僕は目を閉じ、森の音を聞く、森の香りをかぐ。小川のせせらぎが何重にも聞こえる。いくつかの小さな流れがひとつになって岩を伝い、水面に落ちている。水面を打つ水の音が三種類あり、それぞれの音が違っている。僕はその情景をイメージすることができる、実物よりもイメージとして明確に。

倒木に生息している苔がサラブレッドの毛並みのように美しい。

山を愛するIちゃんは屋久島の自然からたくさんのことを学んでいる。森の中、三人でたくさん話しをした。

第一回苔ルーペの会、怪我もなく無事終了致しました。
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by kei-jewellery | 2010-11-17 21:28

海と山の近いところ

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ゆっくりとした朝。しんとはりつめた秋の空気が漂う。
少し遅めの朝食を取り、ゆっくりとストレッチをする。日差しが強い。裏庭のツワブキたちは来るべき冬に備えてそのつぼみをふくらませている。屋久島のツワブキは冬に黄色い花を咲かせて島中を飾り尽くす。

午前中、海にはいる。少し冷ための海水と強い日差しが最高に気持ちがよい。

夕方まで制作をして写真の現像をするため、外出することに。
とちゅう、屋久島の杉の資料を集めるため、屋久杉自然館によった。すこし高台にあるこのミュージアムは杉の森の中にあって、空気が澄み切っていて凄く気持ちが良かった。これだよ、この感じ。

ここ屋久島は海と山がとても近い。山と海を結ぶ稜線は極めて急で切り立っている。山から海まで穏やかで安心なラインを描き出している神戸の街とはまた違う。

家に帰り、僕はカメラの整理をして、レンズを磨いた。明日は朝から森に入る予定だ。

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by kei-jewellery | 2010-11-16 23:37


ケイ ナカムラ ジュエリーは屋久島発のジュエリーブランドです。作家・中村圭がジュエリーと写真と文章で、日々の美しさをお届けします。しずくギャラリーとホームページにて、作品を観て頂けます。


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