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雨、音、色

ベットの中で二日ぶりの雨の音を聞く。薄い膜のようなものに包まれているみたいな感覚が気持ちよく、朝のまどろみに幸せを感じた。

少し早く起きて、傘を差して海まで散歩に出かけた。あたりは冷え込み、薄い霧が集落を囲む山々のちょうど半分くらいを覆っている。どんよりと曇った空気の中、道際で発光する緑にハイビスカスがぽつりとまぎれていた。

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午前中、先日ライブを聴きに行った和泉宏隆さんのCD“FORGETTEN SAGA”を聴きながら制作をする。しとしと降る雨の中、和泉さんの音楽はとても静かで美しく、尋常じゃないくらい覚醒した空気がアトリエを覆っていて、これでよいものを作れなかったらダメだな、と一瞬僕は思ってしまった。

和泉さんのCDを二回聞いて、ジョアンジルベルトのCDにスイッチした。雨脚は激しくなり、それにつれて集中も高くなる。
似たような形のモノを糸鋸で何個も切り抜き続ける作業で午前中を終える。

それにしても、つくづく僕は雨が好きなんだな、と自分でも感心してしまう。
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by kei-jewellery | 2010-06-30 22:40

満月の夜、決断の時。

梅雨の合間の晴れの日。とにかく暑い。空には巨大なソフトクリームのようにもこもことした雲が横たわっていて、歓迎されざる夏の気配を早くも漂わせている。

先日までの雨をたっぷりと吸った地面が、太陽の熱を浴びてむせかえるような湿気を放出している。刈ったばかりのソテツから無数の新芽が伸びていて、その尖った葉の先が近づくもの全てを拒絶する。熱帯の空気がここにある。知らないうちに僕の体よりも大きく育ったバナナの葉をようやく揺らすくらいの暖かくてスローな風が吹いている。

新作に使おうとしているパールのことを色々と調べているうちに、芥子の粒くらいの真珠があることを知る。
アンティークのジュエリーにはよく使われていたようだ。

夕方から、尾之間に買い出しに。ペイタで食パンを一斤半とチョコレートケーキとタルトレットを買い、スーパーマーケットで食料を調達した。そして、僕と妻はケーキとタルトを食べながら、ソフトクリーム雲のエッジをオレンジ色に染める夕焼けに向かって車を走らせた。
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by kei-jewellery | 2010-06-29 00:20

ピアノコンサートに行く

安房、屋久島町総合センターで行われた和泉宏隆さんのソロピアノコンサートに行ってきました。

一流の演奏、最高でした。
約二時間が一瞬に感じられた至福のひとときでした。ああ、もっとあの音の中に包まれていたい。
ありがとう。
また、必ず聴きに行きます。

とりあえず、髪の毛を伸ばすところから始めてみようかな。
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by kei-jewellery | 2010-06-26 23:27

水の容器

朝から猛烈な勢いで雨が降り続く。
部屋の中はまるで部屋ごと海の底に沈んでしまったように薄暗く、今日も重たい湿度に満ちていた。

トーストを3枚焼き、ミルクをたっぷり入れたカフェオレを作り、andre gagnonのCD“piano solitude”をプレーヤーにセットして、妻とともに朝食を取った。

午後、紫陽花の花の中にある紫陽花を発見してしまう。ふと、雨がやみ、気晴らしに庭先に出た時の出来事だった。
紫陽花の中心部、昨日までは白いぽっちりだったところに新たに直径2mm位の花が咲いていて、それは紫陽花の花の形とそっくりなのだった。

何故か少し不安になってしまったので、インターネットで調べてみると、「花びらに見えるのはがく片(装飾花)で、本来の花(正常花)は中心にある直径1、2ミリの小さな花弁」とあった。驚いた。みんな、知っていたのだろうか。
さらに色々なページを見ていくと「アジサイは毒性があり、ウシ、ヤギ、人などが摂食すると中毒を起こす」とある。まったく、紫陽花、恐るべしではないか。あなどれない。
季節のエッセンスですよ、などと天ぷらにして、うっかりお客様に出してしまっては大事になってしまう。モミジと一緒にしてはいけない。

しばらくすると、また激しい雨が降り始めた。
僕は二杯目のコーヒーを煎れて、製作に戻った。





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by kei-jewellery | 2010-06-25 22:28

紫陽花

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庭先に咲く紫陽花。

昨年より小振りではあるけれど、その美しさは全く変わらない。
冷たく降り続く雨の中、ぽつりぽつりと灯る明かりのように
真昼の暖かい光の中、ふわりふわりと舞う蝶のように

いつか、紫陽花をモチーフにした作品を創ってみたいなあ
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by kei-jewellery | 2010-06-24 21:48

特筆すべきことのない日

特筆すべきことのない日。もちろん、こんな日だってある。
しかしながら、こんな日こそ仕事が前に進むものなのである。たっぷりと製作の時間を取ることが出来ると、集中の度合いも高くなる。高い集中力を伴う仕事は感動を生むのだ。

現在、取りかかっている作品の製作を続けながら、次の作品の構想を練り上げる。前もって材料の注文をしておくために、必要な材料をピックアップしておいた。製作と製作の間にインターバルを取りたくない。

夜はビールを飲みながらかやくご飯を作って食べた。なんとなく、肉を食べたくない気分だったので、あげとインゲンをたっぷり入れてみた。
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by kei-jewellery | 2010-06-23 21:50

軌道修正の日

昨日は屋久島にあるリゾートホテル“サンカラ”でのランチを。
あたたかいサービスととても美味しい料理に大満足。また必ず行きたいと思う良いレストランだった。

夜は杜氏の送別会。もうこれ以上は絶対食べることが出来ない状態になっていたのにもかかわらず、目の前にある各自持ち寄りの品々をぱくぱくと口に入れ続け、斜め前の席の座っていたソムリエに美味しいワインを注いでもらって、いやあソムリエに注いでもらうとたくさん飲んでしまいますね、などと言いながら本当にワインをたくさん飲み続けて、気が付くと僕は長身のIくんたちと、苔の世界をルーペで覗くと凄いんですよとか、光るキノコは現在屋久島で5種類確認されているそうですよといった森の話しを夢中になって語り合っていた。

丁寧に駆られた庭の芝生の遙か上には半月が薄い雲のベールを覆っていて、そこから漏れる緩やかな光がこの時期の九時頃に必ず現れる“流し虫”を黄色く照らしていて、綺麗だった。

今日は新作の羊歯のペンダントを製作をしながら、昨日の遊びすぎた体と頭を一日かけて軌道修正した。
一日ぶりに家で食べた、あっさりとしたうどんや豆腐がやたらとうまく感じた。
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by kei-jewellery | 2010-06-22 22:04

海亀な一日

約十時間にわたる停電。
全く仕事にならない。
十時間の間、僕はいったい何をしたのだろうか。

僕の持っている数少ないギターのレパートリーを一通り弾いて、「the catcher in the rye」を読み、庭のハーブの手入れをしてから部屋で少しゴロゴロし、海を見に行って帰ってきて時計を見たらまだ二時間も経っていなかった。
やることは全てやってしまったので、「the catcher in the rye」の続きを読んだ。

その後、お客さんが訪ねてきてくれ、海にも二回入ったのだけれど、基本的には、べっとりと体中にまとわりつく重たい湿度の中、産卵を終えたあと海への出口を見失って砂浜をはいずり回る海亀のように、僕は部屋の床の上をただゴロゴロと移動しているだけだった。

電気がついたって少しばかりも喜んでやるもんかと心に誓っていたのだけれど、その瞬間、僕は床から素早く起きあがり、エジソンさんありがとう、と胸の奥のほうでつぶやいてしまったのだった。

海亀の産卵は今が絶頂期なのだろうか。亀たちは月の明かりが出ていない、暗い夜を好んで産卵を行うらしい。
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by kei-jewellery | 2010-06-21 00:13

庭先でのドラマ

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朝起きると、庭の“ハーブ畑”のバジルのすぐ隣にキノコが出現していた。
ここのところ、庭での出来事がとてもドラマチックだ。 事件は庭先で起きている。

夕方までで作業を切り上げて、Kやんの参加するハワイアンバンド“Hilo ohia”のライブを聴きに尾之間のトーンまで出かける。

生まれて初めて聞く、美しいハワイアンの音楽に僕は魅了された。

そして、音楽に合わせて踊るCちゃんのフラは感動的で、僕は終始、高ぶる感情や揺れる気持ちを自分のなかにひっそりとおさめておくことができないでいた。

Cちゃんとはいつも海で一緒で、波乗りのスタイルがとても格好良いな、と思っていたけれど、今夜の彼女のフラにも僕には同じ種類の素晴らしさがあるように感じた。そこにはずっしりと重たい魂みたいなものがあって、感動があった。それは少しも薄っぺらくない、人生を感じる踊りだった。

帰りの車の中、僕と妻は「あの動きは波で、あれは月だよ。」「大切な人を強く想う気持ちなんだろうか。」とか「一つ一つの意味がわかればやばいだろうね。」などと興奮気味に話し続けた。

気持ちの良い音楽に包まれ、大きなパワーをもらった素敵な夜だった。
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by kei-jewellery | 2010-06-19 23:09

ジュエリーと食事

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昨夜も長い雨。起きて庭を見てみると、今朝はクロッカスが花をつけていた。

朝一番、海に入って体を動かし、1時間ほどで戻ってきてトーストを2枚食べて仕事を始めた。
昼まで仕事をして、海を見に行くとなかなか気持ちよさそうだったので、もう一度入ることに。仕事がつまっているというのに、いったいどうなっているんだ、僕は。まるで、大学生の夏休みではないか。

海からあがるとお腹がぺこぺこで、キャベツとソーセージを蒸して塩をふり、それをたっぷりのご飯と一緒に食べた。ほとんど、本能的な生活である。

食事を終え、急いで制作に入り、夕方まで作業を続ける。妻がベッドで本を読んでいる隣に吸い込まれ、横になった瞬間、深い眠りに襲われた。起きたときは、外はもう薄暗くなっていた。まずい。本能が理性を追い越そうとしている。あわてて顔を洗って、作業に戻る。

ニンジンとピーマンと糸こんにゃくと豚肉を唐辛子を少しきかせて甘辛く炒めたものとご飯で軽い夕食をとり、制作を再開。どんどん作業を進める。

海にはいることと寝ること以外は殆ど何かを作っている生活。(ジュエリーか食事です)

今も大きな波の音が聞こえてくる。
明日も早く起きようと思う。
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by kei-jewellery | 2010-06-18 22:29


ケイ ナカムラ ジュエリーは屋久島発のジュエリーブランドです。作家・中村圭がジュエリーと写真と文章で、日々の美しさをお届けします。しずくギャラリーとホームページにて、作品を観て頂けます。


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